防災士とは?資格内容と試験の流れについて

ある特定の分野において知識を身につけようと思った場合に、その分野の資格を取得するというのは一つの手です。資格を取得することによって、その分野の知識を体系的に身につけることができますし、第三者に客観的にその分野について一定の知識を持っていると証明することもできます。
防災・災害に関した資格でいうと「防災士」という資格が最も有名であると言えます。防災士は民間資格ではあるものの、多くの防災関係者の方が取得されています。
今回はそんな防災士について、そもそも防災士の資格とは何か、防災士に求められることは何なのか、防災士の試験の流れはどのように進むのか、などについて書いていこうと思います。

防災士の資格とは何か

そもそも防災士とは何かをひとことで言うと、防災に関する知識を体系的に習得するための民間資格です。防災士はNPO法人(特定非営利活動法人)日本防災士機構が認証する資格であり、防災に関して一定の知識や技能を習得した人に対して付与されます。
もともとは阪神淡路大震災をきっかけに防災士が作られたのですが、創設以降多くの防災関係者などが防災士の資格を習得し、今では10万人を超える人が防災士の資格を持っております。
最近でも東日本大震災や熊本地震などの影響を受けて、防災や災害に関する意識が高まっており、全国各地で防災に関する専門的な知識を有する人材を育成しようという流れもあり、防災士に対する注目も高まっています。

防災士に求められること

防災士はあくまで民間の資格なので、防災士を持っているからといって何か防災に関する権利や義務が発生するわけではありません。ただし、防災士を持っていることで、防災に関して一定の知識を有していること客観的に証明することができるので、間接的な理由として防災に関するイベント毎の応募に通りやすかったりすることは、可能性としてあるかもしれません。
自分の住んで居る地域コミュニティにおいて何か防災に関する話し合いがされた場合には、防災士を持っていることで、災害時の行動などについてどうすれば良いのか意見を求められるかもしれません。
このように防災士を持っているからといって防災のスペシャリストにはなれませんが、日頃から防災に関して意識が高く、最低限の知識を持っていると他者に思わせることはできるかもしれません。

参照記事
日本で行われている防災研修を一挙ご紹介!災害を学ぶならここ

防災士の試験の流れはどのように進むのか

防災士の資格はいくつかの段階を追って進んでいきます。流れとしてはまず運営元である日本防災士機構が認証した研修機関が実施する講義を12講座×60分間以上を受講します。また、研修レポート等を提出することで研修のカリキュラムを履修して履修証明書を手に入れることができます。

(防災士になるには:日本防災士機構HPより引用)
次に、日本防災士機構が行う防災士資格取得試験を受験して合格する必要があります。試験は選択問題であり、合格は70点以上です。ただしたとえ試験に落ちたとしても、再受験することができます。試験の合格率は公表されていませんが、そこまで難しい問題ではありません。
防災士の資格はこの試験に合格したからといってもらえる訳ではありあません、まだいくつかの段階を踏む必要があります。試験に合格したら、次は全国の自治体、地域消防署、日本赤十字社等の公的機関等が主催する「救急救命講習」を受けて、その修了証を取得する必要があります。
これまで述べてきたことすべてをこなして、最後に日本防災士機構に対して「防災士認証登録申請」を行うことで、晴れて防災士になることができます。
以上、そもそも防災士の資格とは何か、防災士に求められることは何なのか、防災士の試験の流れはどのように進むのか、などについて見てきました。
防災士は防災関連の資格では最も有名であり、防災について知識を体系的に身につけたいという場合には登竜門として利用すると良いかもしれません。

参照記事
建物応急危険度判定士とは?資格要件と業務内容について

参考サイト▪︎日本防災士機構