CATボンド(大災害債券)とは?災害に備えた債券

2018.05.17

大きな災害が発生すると大企業は大きな損害を被ることがあります。大企業であれば災害によって壊れる建物や設備も多ければ、災害によって売上が激減することも考えられます。
そんな時に備えてファイナンシャルリスクを転嫁するために地震保険などの活用が行われますが、損害保険以外にも災害によるリスクを大企業が抑える方法はいくつもあります。その中の一つが「CATボンド(大災害債券)」です。
今回はそんなCATボンド(大災害債券)について、そもそもCATボンドとは何か、自然災害リスクの証券化、などについて書いて行こうと思います。

CATボンド(大災害債券)について

そもそもCATボンドとは何かをひとことで言うと、普通社債よりも高い利息が支払われる代わりに、地震や津波などの自然災害が発生した場合には投資家への償還元本が減少する債券のことです。
CAT ボンドのCATとは「Catastrophe(災害)」の略であり、日本語では大災害債券などとも呼ばれています。
自然災害について、地震の大きさや被害エリアなどといった一定の条件をあらかじめ決めておき、その条件に当てはまった場合には、債券の発行会社は事前に決めておいた金額を受け取ることができます。
そのためCATボンドを発行した会社は災害からの復旧・復興のためにその資金を活用することができます。このようにCATボンドは災害時に急遽資金が必要になる場合の対策として有効であると考えられています。

実際に東京ディズニーランドを運営しているオリエンタルランドはこのCATボンドを発行しており、世界全体で見ると毎年1兆円近い金額のCATボンドが発行されています。
災害時にはサプライチェーンの寸断や設備の故障などによって商品の生産が止まったりすることで本来はいる予定であった売上が入らなくなることがあります。
災害によって壊れた建物や設備を修繕するための資金も必要になりますし、一方で売上が止まっていたとしても従業員の給料や土地代などの固定費用の支出は止まりません。
そのために企業は一時的に資金繰りに苦労することが一般的にありますが、CATボンドはこのようなファイナンシャルリスクを軽減させるための一つの手段として有効であると言えます。
一方で投資家側から見ても、CATボンドは景気や株価・金利変動との連動性が小さく、かつ利回りが高いリスク分散商品というメリットがあり、海外の投資家の間では需要が増えているそうです。

参照記事
セーフティネット保証4号による災害時の中小企業資金調達について

自然災害リスクの証券化

このようにCATボンドは自然災害リスクを証券化しているものですが、この自然災害リスクの証券化という市場は年々増加しています。
もともとは1992年にハリケーン・アンドリューがアメリカを襲った際から検討されるようになりました。その後、アメリカ同時多発テロ事件やハリケーン・カトリーナなどの影響でさらにその流通量は拡大して行きました。

自然災害リスクの証券化という市場は今後も世界全体で伸びていくのではないかと想定されます。特に自然災害の多い日本の企業においては災害のリスクヘッジの観点からもCATボンドは有効であると言えます。
以上、CATボンド(大災害債券)について、そもそもCATボンドとは何か、自然災害リスクの証券化、などについて見てきました。
自然災害と金融は相関性があり、CATボンドはそれを証券化という形で証券にしたものであると言えます。今後も自然災害によるリスクを軽減する観点から、他にも今までにはなかったような金融商品が登場する可能性があると言えます。

参照記事
自然災害による被災者の債務整理に関するガイドラインについて

参考サイト▪︎What is a catastrophe bond (or cat bond)?