雪害対策として何ができるのか?!雪による災害を防ぐために

日本には多くの豪雪地帯があり、日本列島の北部や日本海側などでは毎年多くの雪が積もります。都心部にいるとなかなか豪雪を経験することはないかと思いますが、日本全体でみると約2,000万人が豪雪地帯で生活を営んでいると言います。
雪による災害と言われるとあまりピンとこないかもしれませんが、日本では毎年のように雪による災害が発生して被害が出ています。
今回はそんな雪による災害を防ぐために雪害対策として何ができるのかを、そもそも雪害とは何か、雪崩の雪害対策、除雪中の雪害対策、自動車での雪害対策、などについて書いていこうと思います。

雪害とは何か

そもそも雪害とは何かをひとことで言うと、そのままですが雪によって引き起こされる災害です。
雪害の代表的ものは、雪崩、除雪中の転落事故などの豪雪地帯特有の災害のほか、路面凍結などによる交通事故や歩行中の転倒事故など、豪雪地帯以外でも発生するものあります。
国土交通省によると532の地域が豪雪地帯に、201の地域が特別豪雪地帯に指定されており、雪害に注意をする必要があります。

(豪雪地帯・特別豪雪地帯の指定:国土交通省HPより引用)
雪害はあまり他の災害に比べると注目を集めることが少ないですが、その分油断をする人も多いので、注意を払う必要があります。

参照記事
気象災害とは?その種類と対策事例について

雪崩の雪害対策

雪害の中で代表的なものに雪崩があります。雪崩とは山岳部の斜面上に降り積もった雪が重力などの影響により、なだれ落ちてくる自然現象のことです。
雪崩はすべり面の違いによって、「表層雪崩」と「全層雪崩」の2つのタイプに分けることができます。表層雪崩は定気温で降雪が続く1〜2月に発生し、新幹線並の速さでなだれ落ちてくると言われています。
一方で全層雪崩は気温が上昇してきた春先に発生し、自動車並みの速さでなだれ落ちてきます。
どちらにしても雪崩はそのスピードが早いので、発生してから避難するのでは逃げ切ることが難しいです。そのために前もって雪崩になりそうなところには行かないという対策が必要になります。
一般的に雪崩は、傾斜が30度以上になるような急な斜面や、低木林やまばらな植生の斜面で発生することが多いと言われています。

(雪崩:首相官邸HPより引用)
この他にも、市町村が作成しているハザードマップによって、雪崩の危険箇所を把握し、気象庁が「なだれ注意報」などの気象情報を出ていないかを確認することも事前の雪崩対策としては重要になります。

除雪中の雪害対策

雪による災害の中では、除雪中に自宅の屋根の雪下ろしをしている最中に発生する除雪中の雪害も毎年多く発生しています。
特に高齢者にその割合は多いのですが、屋根に積もった雪をおろしている最中に足を滑らせて落下したり、屋根の上の雪が滑り落ちてきてバランスを崩して転落する事故が発生したりすることがあります。
除雪中の雪害対策としては、屋根の雪下ろしをする際には2人以上で行うことや、携帯電話をポケットに入れておくこと、滑りにくい靴をはくこと、はしごをしっかりと固定することなどがあげられます。

参照記事
融雪期に備えた防災対策をする上でのポイントについて

自動車での雪害対策

降雪時や降雪後には、路面の凍結や吹雪等による視界不良による事故に注意が多く発生します。路面の凍結については、降雪が1cm以上の時は非常に滑りやすくなり、アイスバーンと呼ばれる路面が氷のようになる現象が発生した際にもスリップに気をつける必要があります。
路面の凍結は信号の交差点、橋梁、トンネルの出入り口では特に注意をする必要があります。

視界不良による事故については、降雪や吹雪によって雪が舞って視界が悪くなることがあります。また、雪国ではホワイトアウトと呼ばれる地吹雪などで視界が真っ白になり、他に何も見えない状態になることがあり注意が必要です。
自動車での雪害対策としては、ライトをつけて前後に自分の存在を知らせることや、車間距離をしっかりととって、スピードの出し過ぎに注意をする必要があります。
また、トラックなどの大型車が巻き上げる雪煙で視界が悪くなるので、注意を払う必要があります。
以上、雪による災害を防ぐために雪害対策として何ができるのかを、そもそも雪害とは何か、雪崩の雪害対策、除雪中の雪害対策、自動車での雪害対策、などについ見てきました。
雪害は特に豪雪地帯では毎年のように発生する災害であり、雪による災害を防ぐために雪害対策を事前にしておくことが重要になります。

参照記事
ホワイトアウト現象とは?雪による災害について

参考サイト▪︎内閣府「雪害対策」