総合防災情報システムと防災情報共有プラットフォームについて

災害が発生した際には災害に関する情報や被害に関する情報を迅速かつ正確に把握して共有することによって、災害による被害をできるだけ小さく抑えることができます。
そのために政府ではそれらの情報をうまく把握して共有するためのシステムを持っています。総合防災情報システムや防災情報共有プラットフォームなどが知られており、どちらも災害情報を管理する上で重要になります。
今回はそんな災害時の情報管理システムについて、総合防災情報システムとは何か、防災情報共有プラットフォームとは何か、人工衛星を活用した災害情報の収集、などについて書いていこうと思います。

総合防災情報システム(DIS)とは何か

そもそも総合防災情報システムとは何かをひとことで言うと、地震発生直後に被害のおおまかな規模を把握するためのシステムになります。総合防災情報システムはDISと呼ばれることもありますが、これはDisaster Information Systemの頭文字になります。
阪神淡路大震災の際に、災害対応を行う中で少しでも早く被害の全体像を把握することの重要性が認識され、その教訓から総合防災情報システムは開発されました。
総合防災情報システムは震度4以上の地震が発生した際に自動で起動し、気象庁から送られてくる地震の震度に関する情報と、事前に総合防災情報システムのデータベースに登録されている地盤、人口、建造物などに関するデータに基づいて、建物の全壊棟数や死傷者の数を推測で出します。
総合防災情報システムは発災から10分程度で推計され、中央省庁の防災関連部局に情報が提供されます。

(総合防災情報システム:内閣府HPより引用)

参照記事
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防災情報共有プラットフォームとは何か

そもそも防災情報共有プラットフォームとは何かをひとことで言うと、防災関係機関がみんなで共有すべき防災情報を共通のシステムに集約して閲覧することができるようにしたシステムのことです。
防災情報共有プラットフォームでは地震による被害の推計情報、気象情報、災害現場における被害状況などが共有されます。
この情報を防災関連機関で共有することによって、物資調達、緊急輸送ルート確保、医療搬送、救助などの基幹オペレーションの効率的な実施が可能になり、災害対応の効率化が進みます。

(防災情報共有プラットフォーム:内閣府HPより引用)

人工衛星を活用した災害情報の収集

災害が発生した際には、交通や通信手段が寸断されることから正確な被害状況を把握することがどうしても難しくなります。そのような状況えあっても広範囲に被災地の情報を入手するために、人工衛星の画像を活用することがあります。
人工衛星は昼夜・天候に関わらず観測が可能であることから、この衛星画像の活用促進により、災害時の被害の迅速な概略把握や初動対応の迅速化を図っているのです。
以上、災害時の情報管理システムについて、総合防災情報システムとは何か、防災情報共有プラットフォームとは何か、人工衛星を活用した災害情報の収集、などについて見て来ました。
災害時に被災地の情報を迅速かつ正確に入手することは、被害をできるだけ小さく抑えるためには必要不可欠なものであり、そのために政府では数多くのシステムが活用されているのです。

参照記事
災害現場へのLINE活用!SNSを防災に活かす新しい形

参考サイト▪︎内閣府「情報の共有化に向けた 総合防災情報システムの運用」