応急仮設住宅とは?災害救助法との関係とガイドライン

災害が発生して例えば家が洪水で流されて全壊になると、当然被災者の人は帰る場所がなくなってしまいます。一時的には避難所で生活をすることになるかと思いますが、ずっと体育館などで暮らすわけにもいきません。
そんな時に使われるのが「応急仮設住宅」です。新しい家を見つけて建築したり、今後の身のふりを考えたりするのにはどうしても時間がかかってしまいます。そのため1〜2年間のつなぎの期間をこの応急仮設住宅で暮らすのです。
今回はそんな応急仮設住宅について、そもそも応急仮設住宅とは何か、災害救助法ではどう活用できるのか、応急仮設住宅への入居から退去まではどのように進むのか、などについて書いていこうと思います。

応急仮設住宅とは何か

応急仮設住宅とはひとことで言うと、災害で家を失った人に一時的な居住する場所を提供するものです。1〜2年間くらいの居住を目安とした一時的な家であることから、プレハブや木造でできているのが一般的です。
災害が発生すると避難所に一時的に受け入れられるのですが、避難所はあくまで一時的なもので生活をずっと続けるのは困難なので、自らの力では家を確保することが難しい被災者に対して応急仮設住宅が提供されます。

大きい災害が発生した際には、1,000を超えると戸数が応急仮設住宅に入居することもあります。このように応急仮設住宅は大きな災害が発生した際には役に立ちます。
応急仮設住宅に関する詳細については、内閣府が「応急仮設住宅の設置に関するガイドライン」を公表しておりますので、詳しく知りたい方はこちらを参考にするのが良いでしょう。

参照記事
応急仮設住宅から恒久住宅に移行する際の問題点について

応急仮設住宅と災害救助法の関係

応急仮設住宅を話す上で密接に関係してくるのが災害救助法です。そもそも災害救助法とは災害が発生した直後の応急救助のタイミングで発生する災害対応費用を国が大部分を負担するための法律です。
避難所の設置や運営も災害救助法の対象ですが、応急仮設住宅についても災害救助法の対象になります。ただし全ての被災者が応急仮設住宅の対象になるわけではなくて、対象者は住家が全壊して、かつ自らの資力では住宅を新たに確保できない人です。
建設型応急仮設住宅の場合には、1戸あたり5,516千円の範囲内で、災害発生から20日以内に着工する必要があります。

借上型応急仮設住宅の場合には、地域の実情に応じた金額の範囲内で、災害発生方速やかに提供する必要があります。
高齢者や障害者の方に対してはバリアフリー面に配慮したふくし建設仮設住宅を設置することも可能となっており、現場の実情に合わせた活用をすることができるのが特徴です。

参照記事
災害救助法とは?適用基準と費用負担の割合について

応急仮設住宅への入居から退去まで

応急仮設住宅への入居から退去までの流れとしては、まず応急仮設住宅に入居したばかりのタイミングでは、避難所での生活がやっと終わり安心する一方で災害発生から時間も経って少し落ち着いてきて不満も表面化してきます。
次にずっと応急仮設住宅に入居しているわけにもいかないので、新しい住居をどうしようかと検討する段階に入ります。中には経済的な問題や家庭上の問題などでなかなか新しい住居まで考えることができない被災者もいます。そのために応急仮設住宅の中でも退去する人と入居を続ける人に分かれてきます。

応急仮設住宅はずっと入居し続けるわけにもいかず、基本的には2年を上限にすることが多いです。新しい住居を見つけることができなかった人は復興公営住居などに入居することになります。そして応急仮設住宅は撤去されていきます。
以上、応急仮設住宅について見てきました。災害では経済的に大きな損失を負う人も多いですが、応急仮設住宅はそんな状態を少しでも改善するために大きな役割を背負っています。

参照記事
災害対応における人的応援について災害フェーズでまとめてみた

参考サイト▪︎内閣府「応急仮設住宅の設置に関するガイドライン」