初動対応とは?災害時に生命と財産を守るためにすべきこと

2018.05.30

災害は発生してから通常の生活が戻ってくるまでにいくつかの段階を踏む必要があります。災害の現場では「黄金の72時間」という言葉がありますが、これは災害発生から3日間は人命を助けるにあたって最も重要な期間であるというものです。
その次の段階としては、避難所でくらす被災者の生活を維持するための活動や、災害によって壊れた家屋を再建していく復旧・復興の段階に入っていきます。
災害対応ではそれぞれの段階でそれぞれの難しさがありますが、その中でも災害発生直後から数日間の初動対応期は、混乱して正確な情報の入らない中で住民の命を救う必要があります。
今回はそんな初動対応について、そもそも初動対応とは何か、初動対応ではどのようなことを行うのか、などについて書いていこうと思います。

初動対応とは何か

そもそも初動対応とは何かをひとことで言うと、災害が発生した直後の災害対応を行う期間のことです。災害対応はいくつかの段階に分けることができますが、この初動対応を行う期間は被災者の命が助かるかどうかを左右する非常に重要な期間になります。
そのため初動対応は正確かつ迅速に行う必要があるのですが、実際の災害では初動対応をしている最初の時期は、災害情報や被災状況を正確に把握することが難しく、対応は難しいというのが実情です。
初動対応では、正確に情報をつかむことが難しく、十分なリソースも確保できない中で対応をする必要が出てくるので、事前にしっかりと防災対策を立てておき、発災直後は何をしなければならないのかを整理しておく必要があります。

参照記事
総合防災情報システムと防災情報共有プラットフォームについて

初動対応ではどのようなことを行うのか

初動対応として行わなければならないことはいくつもありますが、その中から代表的なものについて書いて行こうと思います。

初動対応①:災害対策本部の設置

大きな災害が発生した場合には災害に対する指揮を取るための組織である災害対策本部を設置する必要があります。事前に災害対策本部を設置する基準を決めておくのが一般的です。
災害対策本部では、災害に関する情報を収集・整理すると同時に、災害対応として何をしていくのかを決めていきます。
災害対策本部の設置については、物理的に十分な広さが必要であると同時に、各部署の配置レイアウトについても、事前に決めておくことが重要になって来ます。

初動対応②:救出・救助活動

災害対応の初動対応に行うべきこととして、何よりも大切なことが「人命を助けること」です。災害が発生した直後は建物に人が下敷きになっているなどで、多くの人が危険にさらされています。
そのために初動対応として、救出・救助活動を行い、一人でも多くの被災者を助ける必要があります。災害の現場では「黄金の72時間」という言葉があり、災害発生から3日間は人命救助を行う上で重要になります。

参照記事
GIS(地理情報システム)とは?災害対応をするために有効なツール

初動対応③:消火活動

初動対応として消火活動も重要になります。地震などの災害が発生するとそれに伴って火災が発生して火事になることがあります。その火事が延焼すると被害がさらに拡大してしまいます。
そのために、初動対応として火災の延焼を防ぐために消火活動を行い、被害をできるだけ抑えることが重要になります。

初動対応④:応急医療活動

初動対応では応急医療活動も重要になります。災害が発生すると負傷する被災者が平常時に比べると激増しますが、その被災者に対して医療行為を行う必要があります。
医療を行う病院も被災地では被災していますので、災害派遣医療チーム(DMAT)や広域医療搬送などの活躍が不可欠になって来ます。

初動対応⑤:生活必需物資の調達及び輸送

被災地では災害に備えて備蓄品が一定量ありますが、その量は限られており、避難所などにいる被災者の生活を維持するために生活必需物資を調達する必要が出て来ます。
事前に近隣の行政や民間企業と支援物資に関する協定などを結んでおき、発災時にはどこを物流の拠点として生活必需物資を輸送するのかなどを計画しておく必要があります。
以上、初動対応について、そもそも初動対応とは何か、初動対応ではどのようなことを行うのか、などについて見て来ました。初動対応は災害対応の中でも難しく辛い時期ではありますが、その対応能力によって被害の程度が大きく左右されることがあるので、事前にしっかりと防災対策を行っておく必要があります。

参照記事
行政の災害対策全体像について!災害への備えから復旧復興まで

参考サイト▪︎内閣府「初動対応」