首都直下地震の被害想定と応急対策に関する計画について

2018.01.04

いつかは来ると言われている大きな地震として「首都直下地震」と「南海トラフ地震」があります。東日本大震災もいつかは来ると言われ続けてはいましたが、まさかここまで大きな地震になるとは想定していなかったと言う事実もあります。
特に首都直下地震では、被災するエリアが日本の首都圏ということもあり、仮に発生した場合にはその人的・経済的な損失は計り知れません。おそらく発生するだろうということは間違いないので、それに備えて政府は対策を考えています。
今回はそんな首都直下地震について、首都直下地震の被害想定はどれくらいなのか、首都直下地震の応急対策としてどんな計画が立てられているのか、などについて書いていこうと思います。

首都直下地震とは何か

首都直下地震とはひとことで言うと、東京都周辺で発生するので70%以上の確率で発生するのではないかと言われている大地震です。マグニチュード7クラスの地震が発生するのではないかとも言われています。
ご存知の通り、日本は東京にあらゆる機能が一極集中しており、政治・経済・文化とあらゆるものが甚大な被害を受けて、首都圏に住んでいる住民にも多大は被害を与えてしまうと想定されています。
1923年には「関東大震災」が発生して甚大な被害をもたらしたことは歴史の時間に学んだ人も多いかと思いますが、現在の東京でこのレベルの地震が発生した場合には、かつてない被害をもたらす可能性もあります。

参照記事
地震調査研究推進本部(地震本部)とは?地震に関する調査機関

首都直下地震の被害想定

仮に首都直下地震が発生してしまった場合の被害想定ですが、内閣府が公表しているデータによると下記の図のようになっています。

(被害想定:内閣府HPより引用)
被害の大きいエリアでは震度7の地震となり、それ以外のエリアでも震度6レベルの大きさになる可能性があると言われています。首都直下地震による死者は最大で2万人を超え、全壊・焼失家屋は最大で60万を超えると想定されています。
このように首都直下地震は発生する場所が日本の首都ということもあり、その被害は甚大なものになると思われており、いざ首都直下地震が発生した際に少しでも被害を抑えるためには事前に防災計画をどれだけ考えておけるかが重要になります。

首都直下地震の応急対策に関する計画

首都直下地震が発生した場合に具体的にどう政府は行動するのかについては、すでに計画が立てられており、その計画は内閣府のHPでも見ることができます。以下、首都直下地震が発生した場合の対策についてその概要を見ていこうと思います。

(首都直下地震における具体的な応急対策活動に関する計画の概要:内閣府HPより引用)
首都直下地震における具体的な応急対策活動に関する計画では、「輸送ルート」「応急・救助」「医療」「物資」「燃料」「帰宅困難者」の観点から、人命救助に重要な72時間を意識しつつ作成されています。

首都直下地震の輸送ルート計画

首都直下地震が発生した場合には、首都圏だけでは応急対応や復旧・復興を行うことが困難ので、首都圏以外のエリアから応援に来てもらう必要があります。しかし、人員の派遣や応援物資の支給を他のエリアから行うには、大前提として輸送ルートが確保されている必要があります。
災害時には一部の道路は寸断されることが想定されますが、事前に最優先に確保しなければならない重要道路を指定しておき、災害時には通行可否の情報共有、交通規制の実施などを行い、輸送ルートを確保することが計画されています。

首都直下地震の応急・救助計画

首都直下地震では多くの住民が被害にあうことが想定されますが、実際に身体的な被害にあった住民を救助するには、首都圏以外からの応援が必要です。具体的には全国から広域応援部隊を投入することが計画されています。
具体的には最大で警察1.4万人、消防1.6万人が首都圏以外から投入されて、日本全体で救助・救援活動が行われる予定です。

参照記事
災害救助法とは?適用基準と費用負担の割合について

首都直下地震の医療計画

首都直下地震では多くの怪我人が発生して医療が必要になる被災者が大量に発生することが予想されますが、首都圏には災害拠点病院が150近くあります。そのために高度な医療が必要になった被災者はこの災害拠点病院への搬入が行われます。
しかし、災害拠点病院にも限界があるので、被災地内での対応が困難となる重症患者については被災地外に搬送し、被害地外で治療を行う体制構築が進められています。

首都直下地震の物資計画

首都直下地震では首都圏内で地震に備えて備蓄品が準備されています。そん備蓄品で発災後3日間は対応できると想定されていますが、4日目以降については支援物資が必要になります。
支援物資の輸送については、被災都県からの要請を待たずに、プッシュ型の支援であらかじめ計画された物資を輸送することが想定されています。

首都直下地震の燃料供給計画

首都直下地震では被災地の製油所等の出荷機能が毀損する中で、応急対応に必要な燃料資源を供給する必要が出てきます。そのためにも、系列を超えた燃料供給体制を構築し、災害拠点病院、官庁舎、防災関連施設等に優先供給する体制が計画されています。

首都直下地震の帰宅困難者計画

首都直下地震では500万人近い帰宅困難者が発生することが予測されています。帰宅困難者は東日本大震災の際にも問題になりましたが、一斉帰宅を抑制するように呼びかけて、企業や大規模集客施設での待機による安全確保が計画されています。
以上、首都直下地震の被害想定と応急対策に関する計画について見てきました。首都直下地震は、いつかは起きると想定されており、その被害は甚大になる可能性があります。事前にしっかりと防災計画を練っておくことで、その被害をできる限り抑制することが期待されています。

参照記事
「被害想定」の必要性は高いがあくまで“想定”でしかない

参考サイト▪︎内閣府「首都直下地震対策検討ワーキンググループ」