海溝型地震とは?そのメカニズムと内陸型地震との違い
日本は地震大国であることで知られており、毎年多くの地震が発生しています。過去には東日本大震災や阪神淡路大震災など大きな地震がありましたが、今後も首都直下地震や南海トラフ地震などが発生するのではないかと言われています。
その地震にも発生のメカニズムから海溝型地震と内陸型地震に分けることができます。今回は海溝型地震を中心に、そもそも海溝型地震とは何か、海溝型地震のメカニズムについて、海溝型地震と内陸型地震の違い、などについて書いていこうと思います。
海溝型地震とは何か
そもそも海溝型地震とは何かをひとことで言うと、陸側のプレートと海側のプレートの境界である海溝やトラフ付近で発生する地震のことです。
理科の時間に習ったことがある人も多いかと思いますが、世界はいくつものプレートの上に存在しています。プレートは動き続けており、日本は複数のプレートの境界に位置している関係で、地震が発生しやすくなっています。
(プレート運動の模式図:内閣府HPより引用)
日本列島は陸側にユーラシアプレートと北米プレートがあり、海側に太平洋プレートとフィリピン海プレートがあります。このプレート運動によって地震は発生するのですが、発生場所が海側であれば海溝型地震となります。
海溝型地震には、更にプレートの境界での断層運動により発生するプレート境界地震と海側のプレート内部での断層運動により発生するプレート内地震の2つがあります。
海溝型地震は繰り返しの周期をもって発生する傾向にあり、マグニチュード8以上の大きな地震となり津波を伴うことが多いという特徴もあります。1923年に発生した関東大震災はフィリピン海プレートと北米プレートの境界を震源としており、東日本大震災は太平洋プレートと北米プレートの境界が震源となっています。
今後発生が懸念されている海溝型地震としては、南海トラフ地震や日本海溝・千島海溝周辺海溝型地震などがあります。
海溝型地震のメカニズム
海溝型地震のメカニズムはそもそも複数のプレート運動によって発生します。陸側のプレートの下に海側のプレートが沈み込み、海側のプレートが沈み込む運動によってプレート境界やその内部に蓄積されたひずみが元に戻ろうとする運動で海溝型地震は発生します。
(海溝型地震が起こるしくみ:内閣府HPより引用)
海溝型地震と内陸型地震の違い
海溝型地震ではない地震のタイプとして、内陸型地震があります。内陸型地震は陸側のプレートの内部で断層運動によって発生する地震と、陸側のプレートと海側のプレートがせめぎ合う境界付近で岩盤が破壊されて起こる地震の2つに分けることができます。
プレートの動きによって圧力がかかり、岩盤の弱いところにひずみが発生します。そのひずみが限界に達すると弱いところがズレて地震が発生します。
(内陸型地震が起こるしくみ:内閣府HPより引用)
内陸型地震は一般的に海溝型地震と比べると規模が小さいことが多いのですが、震源が浅い場合には大きな被害をもたらすことになってしまいます。
過去に発生した内陸型地震では、阪神淡路大震災や新潟県中越地震があり、人の住むエリアの真下で発生した場合には、甚大な被害をもたらします。
以上、海溝型地震を中心に、そもそも海溝型地震とは何か、海溝型地震のメカニズムについて、海溝型地震と内陸型地震の違い、などについて見てきました。
日本では今後、首都直下地震や南海トラフ地震など発生すると言われており、仮に発生した場合には大きな被害が想定されています。地震による被害を少しでも抑えるためには、地震が発生する前にどれだけ防災対策ができたのかが重要になってくるでしょう。
参考サイト▪︎気象庁「地震について」