被災地の地域コミュニティ復興における再建過程について

被災地の地域コミュニティを復興するために必要なプロセス 災害によって被災地に大きな被害がもたらされると、その地域に住む個々の住民に被害はもたらされることは明らかですが、地域コミュニティというなかなか目に見えにくいものも大きな被害を受けます。 そんな被災地の地域コミュニティを復興するためにはいくつかのプロセスを踏む必要がありと言われており、そのプロセスは「社会基盤の復旧」「経済再建」「都市再建」「生活再建」の4つに大きく分けることができます。 地域コミュニティ復興のためのそれぞれのプロセスについて詳しく見て行こうと思います。

地域コミュニティ復旧・復興①:社会基盤の復旧

まず被災地の地域コミュニティを復旧・復興するためには社会基盤を復旧させる必要があります。社会基盤とは電気、ガス、水道などのライフラインや、鉄道、道路などの交通インフラなどのことです。 これらのライフラインは住民が生活する上で欠かすことのできないものであり、被災地の地域コミュニティを復旧・復興していく上で土台になります。大きな災害の場合にはこの社会基盤を復旧するために数年の期間を要することもあります。

地域コミュニティ復旧・復興②:都市再建

次に被災地の地域コミュニティを復旧・復興するために「都市再建」の段階に入ります。都市再建では個々の住民の住宅再建と、まち全体の都市再建の二つの観点から復興を行なっていきます。 大きな災害の場合にはこの住宅再建を行うために5年の期間を要し、都市再建を行うために10年近い期間を要することも過去にはありました。
参照記事
被災市街地復興推進地域と被災市街地復興特別措置法について

地域コミュニティ復旧・復興③:経済再建

都市再建と同じタイミングで被災地の地域コミュニティを復旧・復興するために「経済再建」の段階に入ります。被災地の経済を活性化させることは必要不可欠です。 特に資本的な余裕がない被災した中小企業を再建させることは地域経済活性化の重要な要素になります。ただし、一度被災した中小企業をまち全体で再建することは容易なことではありません。 災害に関わらず現在の日本の中小企業は後継者不足問題に悩まされていたり、地域人口の減少による売上低下などの問題をもともと抱えていたりするところが多く、特に非都市部において被災した中小企業をどう再建するのかについては多くの課題があります。

地域コミュニティ復旧・復興④:生活再建

今まで見てきた「社会基盤の復旧」「都市再建」「経済再建」の3つが完成して初めて地域コミュニティの生活再建を行うことができます。 生活する上でのライフラインがしっかりしており、生活する上での住宅がしっかりしており、生活する上での仕事がしっかりとして、初めて生活再建を行うことができるのです。 一般的に被災者が“被災者か一般市民へ戻る”と感じるには1年の期間が必要と言われていますが、地域コミュニティが“被災地から元の状態に復興する”には10年近い期間がかかることもあります。 生活再建をしていく上では、住宅の問題がそのウェイトを大きく占めることが多いですが、他にも地域コミュニティの他の住民との繋がりなどについても課題になることが多いです。 以上、被災地の地域コミュニティ復興について、被災地の地域コミュニティを復興するために必要なプロセスは何か、生活再建する上での課題は何か、などについて見てきました。 災害によって被災することで“人”も“まち”も大きな被害を受けます。復旧・復興のプロセスは長い道のりですが、一つ一つの段階を踏んで進んでいく必要があります。
参照記事
事前復興とは?災害復興グランドデザインとの関係について
もっと詳しく知る(参考サイト)
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