JMAT(日本医師会災害医療チーム)とは?日本医師会による災害派遣


災害対応において、医療機関の体制をどう整えるのかは重要です。災害に備えて災害拠点病院などの医療機関を中心にBCPの作成が指定されており、災害によってリソースが不足している状態でいかに大量の負傷者の対応をするのか整備が進められていますが、大規模災害では被災地以外からの医療部隊の派遣が必要になります。
日本では被災地に医療部隊を派遣するためにDMAT(災害派遣医療チーム)やJMAT(日本医師会災害医療チーム)がありますが、JMATは日本医師会が被災地に派遣する医療チームとして注目されています。
今回はそんなJMATについて、そもそもJMAT(日本医師会災害医療チーム)とは何か、JMAT(日本医師会災害医療チーム)の活動内容、JMAT(日本医師会災害医療チーム)の課題、などについて書いていこうと思います。

JMAT(日本医師会災害医療チーム)とは何か

そもそもJMAT(日本医師会災害医療チーム)とは何かをひとことで言うと、被災地に対して日本医師会が派遣する災害医療チームのことです。JMATとはJapan Medical Association Teamの頭文字をとった略語になります。
発災から3日後くらいに被災地に入り、現地の医療体制が回復するまでの間、地域医療を支えることを目的とした医療派遣チームになります。

日本医師会が最大の医師の職能団体であり、また全ての地域医師会を束ねる立場であることから、被災地の医療体制を支える上で重要であることからJMATが提言され設立に至りました。
JMATはアメリカ医師会のNDLS(National Disaster Life Support)を参考にしながら骨格が出来上がっており、東日本大震災の際にも被災地の医療支援の観点から活躍しました。
一般的にJMATは、医師1人、看護職員2人、事務職員(運転手)1人でチームを構成して医療支援を行い、派遣期間は3日間〜7日間が目途となっています。

参照記事
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JMAT(日本医師会災害医療チーム)の活動内容

JMAT(日本医師会災害医療チーム)の具体的な活動内容としては、避難所や救護所における医療、被災地の病院や診療所における日常診療への支援などが代表的です。
この他にも、避難所の状況把握と改善、在宅患者の医療、健康管理、地元医師会を中心とした連絡会の立ち上げなども行っており、被災地の医療体制が整備されるまでの間の医療体制を整えるために大きな役割を果たしています。

ちなみにJMAT(日本医師会災害医療チーム)に似た組織としてDMAT(災害派遣医療チーム)がありますが、この二つには違いがあります。
DMATは発災直後から3日間ほどの、災害が発生した直後の医療支援を行っているのに対して、JMATはこのDMATを引き継ぐ形で発災から3日後に被災地に入って、その後の医療を支援していきます。

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JMAT(日本医師会災害医療チーム)の課題

今後のJMATが活動していく上での課題としていくつかのことが考えられます。まず、発災前の段階においては、医師会の国、都道府県、市町村防災行政への参画、防災行政における医療の位置づけ強化をすること、医師会と行政間の連携強化、都道府県医師会と都道府県行政との協定締結、関係者間の平素からの意思疎通などがあげられます。
JMATを実際に被災地に派遣する段階での課題としては、先行したJMATからの活動報告、提供情報の還元体制を確立すること、DMAT、JMAT、日本赤十字などの間で現地の情報の収集、医療ニーズの把握、情報共有することなどがあげられています。
JMAT派遣中の課題としては、GIS(地理情報システム)、インターネットを利用した、現地からの情報提供をすること、栄養士、介護、福祉など他の職種との情報共有・協働することなどがあげられています。

この他にもJMATをより効果的な組織にするためにはいくつかの課題があがっており、今後のさらなる活躍を行う上でそれらの課題への対応が進められています。
以上、JMATについて、そもそもJMAT(日本医師会災害医療チーム)とは何か、JMAT(日本医師会災害医療チーム)の活動内容、JMAT(日本医師会災害医療チーム)の課題、などについて見てきました。
JMATは被災地の医療体制を支援していく上でとても重要な組織であり、今後もその活躍に期待されています。

参照記事
災害医療コーディネーターとは?その役割について

参考サイト▪︎厚生労働省「東日本大震災におけるJMAT活動について」