広域緊急援助隊とは?その組織構成と過去の災害対応実績について

2018.04.29

大きな災害が発生した際には、消防、警察、自衛隊と住民の生活を守るために普段は別の業務を行っている機関が緊急事態ということで災害対応に当たります。
この中でも警察の場合には大きな災害が発生すると「広域緊急援助隊」が被災地に派遣され、災害対応に従事します。過去にも多くの災害で広域緊急援助隊は派遣され、大きく貢献してきました。
今回はそんな広域緊急援助隊について、そもそも広域緊急援助隊とは何か、広域緊急援助隊の組織構成はどのようになっているのか、広域緊急援助隊が対応した過去の災害事例、などについて書いていこうと思います。

広域緊急援助隊とは何か

そもそも広域緊急援助隊とは何かをひとことで言うと、大規模災害に対応するために警察に組織されている特殊部隊のことです。
地震、津波、台風などの大規模災害が発生した際には現地の人員だけではとてもではありませんが、災害時に対応しなければならないことを実行することができません。
そのために広域緊急援助隊が被災地に派遣されて、被害状況などの情報収集、被災者の避難誘導、被災者の救出、緊急交通路の確保などの活動を行います。

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そもそも広域緊急援助隊が創設されるきっかけは阪神・淡路大震災でした。ご存知の通り阪神・淡路大震災では大きな被害を受けましたが、警察庁はこの災害に対して全国の都道府県警察から多くの機動隊を派遣し災害対応に当たらせましたが、経験も技術も不足していたために、災害対応は難航しました。
日本は災害大国であり、今後似たような災害が発生した際には迅速かつ正確に行動しようということから、災害対応の専門家部隊が必要となり、広域緊急援助隊が創設されました。
広域緊急援助隊の主な役割は、被災地の被害状況の情報収集、被災者の救出、緊急交通路の確保、被災地への安否情報の提供などになります。
被災地に派遣される部隊は警察だけではなく、消防からも部隊が派遣されます。消防も警察も被災地の災害対応を行うために活躍しているのですが、消防と警察の違いは、消防が被災者の救出・搬送・救命処置などの生存者の救出が活動の中心であるのに対して、警察は救出以外にも、被災地の交通整理、遺体の搜索、防犯のための警備など業務内容が多岐にわたります。

(広域緊急援助隊:警察庁HPより引用)

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広域緊急援助隊の組織構成

広域緊急援助隊は日本全国すべての都道府県警察に設置されており、その隊員数は4,000人〜5,000人近くいます。実際に災害が発生すると広域緊急援助隊はその任務に応じて複数の班に分かれて災害対応を行います。

広域緊急援助隊の組織①:先行情報班

先行情報班は被災地の情報収集に特化しています。災害が発生するとヘリコプターなどを活用して迅速に被災地へと向かい、被災地の被害状況を確認して警察本部などに報告するのが役目です。一般的に、航空隊や機動隊で構成されています。

広域緊急援助隊の組織②:救出救助班

救出救助班は被災地における人命救助に特化しています。救助資機材、災害活動用車両等を活用して、被災地の救出救助、行方不明者の捜索など、災害から直接人命を守る活動を行います。

広域緊急援助隊の組織③:交通対策班

交通対策班はその名の通り、被災地への交通路を確保することに特化しています。災害時には道路を中心としたインフラ設備が破損することがあります。一方で被災地には救出隊員を派遣したり、応援物資を届けたりする必要があり、災害直後における交通路の整備は極めて重要です。
交通対策班はこの問題を解決するために、災害応急対策に従事する要員等が迅速に被災地に到着できるよう、緊急交通路の確保、緊急通行車両の先導等を行っっています。

広域緊急援助隊の組織④:検視班・被災者対応班

検視班・被災者対応班は亡くなった被災者の身元を確認し、亡くなってしまった原因の究明や、遺族への遺体の引渡し、安否情報の提供を行っています。

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広域緊急援助隊が対応した過去の災害事例

広域緊急援助隊が対応した過去の災害事例は数多くあります。最近ですと2017年に発生した九州北部豪雨や、2016年に発生した熊本地震にも広域緊急援助隊は派遣されました。
そのほかにも、2011年の東日本大震災、2007年の新潟県中越沖地震、2004 年の新潟県中越地震など、数多くの災害現場に広域緊急援助隊は派遣され、活躍しています。
以上、広域緊急援助隊について、そもそも広域緊急援助隊とは何か、広域緊急援助隊の組織構成はどのようになっているのか、広域緊急援助隊が対応した過去の災害事例、などについて見てきました。
広域緊急援助隊は災害対応を行うための警察部隊として、これまでに数多くの災害に対応してきました。今後もその活躍が期待されています。

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参考サイト▪︎関東管区警察局「広域緊急援助隊」